コーヒーマニア

毎朝会社に着いてまずするのはコーヒーを挽いてマグカップ2杯分おとすこと

コーヒー豆は10月から4月まではカフェパウリスタの「森のコーヒー」です。

カフェパウリスタは明治44年(1911年)に東京銀座に日本で初めての
カフェ(コーヒーを飲ませるところ)を開いた、日本のカフェの先駆けです。

僕はビジネスの勉強会でカフェパウリスタの社長長谷川かっちゃんと知り合い、
それが縁でもう10年以上毎月コーヒー豆を送ってもらっています。

長谷川かっちゃんは、1年の半分近くを外国でコーヒーの買い付けをして歩いています。
徹底的にこだわりの人であるかっちゃんは、自分の目で見、舌で感じたものしか良さを認めないし、
直接会って話をし、その人の作る農園に触れて、自分がこの人と付き合いたい、
という生産者としか取引の話をしません。

だから高度3000m以上のボリビアの山奥の生産者に、ジープが墜落するのではないか、
というような切り立った崖を通るでこぼこ道を5時間かけて会いに行き、結局取引なしで帰る、
ということも厭わないのです。

「森のコーヒー」はオーガニックにこだわったブラジルの何人かの生産者の粋を集めてブレンドした、
優しい味わいのコーヒーです。
見せてもらった生産地の写真は、本当に深い森の中でした。お勧めです。

5月から9月は、暑いのでホットコーヒーは飲まなくなります。
その代わり強く炒った苦みの強い豆で挽いたアイスコーヒーが飲みたくなります。

僕らの会社のある巣鴨には、その昔コーヒーを淹れるのに主流だった
「サイフォン」というシステムを発明した会社があります。その名も「珈琲サイフォン」。
大正15年(1925年)の創業です。

ここはコーヒー豆を炒って出荷する工場なのですが、
訪問すると炒りたての豆を売ってくれます。
ここのコーヒーはどれも強く炒りつけて酸味を飛ばしているのですが、
苦みの向こうにほのかな甘さが感じられて、贅沢なアイスコーヒーになります。

僕のお気に入りは「幻想ブレンド」という怪しげな(トリップしそうな)名前の豆です。

アイスコーヒーはさすがに会社では作れないので、
朝自宅で濃く淹れたものを氷水に浮かべたポットで一気に冷やし、
サーモスに入れて持参します。ちびちびと少しずつ楽しみます。

おいしいコーヒーは、珈琲があこがれだった子ども時代を蘇らせてくれます。

お客様が来た時だけ、父がサイフォンで淹れる珈琲のご相伴に預かることが、
とてもとても楽しみでした。
脱脂粉乳と砂糖を入れた珈琲は甘みと苦みがブレンドされて、大人の飲み物だと感じました。
それを背伸びして飲んでいると、自分も大人の仲間入りできる気がしました。

そして小学校6年生になってインスタントコーヒーを自分で作るようになったのが、
僕の“手作り”人生の始まりだったのです。

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